Calutuer-Gap<3>



ひとしきり盛り上がり、託生を促し部屋へ戻る。

と、袖の辺りをツンと引かれた。

「さっきは、ありがとう。ギイ」

「ん〜?なにが?」

「心配、してくれただろ?」

「まあ、な。オレ、知らなかったしな」

「・・・嬉しかった」

「託生・・・」

「本当云うとね、前までは、やっぱりさ。チョットは、そのショックだったんだよね」

ポツリと呟く。

「託生?」

「1年の頃のぼくを思い返してもらったら判るだろうけどさ。前までは、本当に悪意に満ちた感じで

云われたしね」

「悪意?」

「・・・ああ、うん。つまりね、”だから協調性がないんだな”とか、ね」

微笑みながら云ってはいるが・・・

「託生」

「でもね、今は全然違うよ?今日だって、全然だったし」

「そっか」

「うん」

それは、託生が皆に受け入れられたからこそだ。それでも。・・・以前の、昔のそうでなかった頃の

託生を思うと胸が痛む。

「ギイ?」

ゆっくりと抱きしめながら、叶う事なら、昔の傷付いていた託生のことも、

こうして抱きしめてやれればいいのにと思う。

「託生はなんにも変わってない。お前の本質は、同じだよ」

「ギイ?」

「託生は託生だし。託生だからこそ好いんだ」

「わかってるよ、ギイ。ギイだって、血液型なんて関係ないよ。ギイはギイだから・・・」

背中にそっと託生の腕がまわされる。

「ギイはギイだから・・・好きなんだ」

滅多に聴けない託生からの告白に胸の奥に灯りが燈るような心地になる。

こういうのを夢心地っていうんだろうな。

「託生、愛してる」

「ぼくも、だよ。ギイ」


                            …Fin…

・Excuse3→