受難、それとも試練?<1>




しっかり、しろ、葉山託生。ここへ来ると決めた時に、覚悟はしていたはずだったろう。

深く息を吸い、覚悟を決めて、木製の扉を開け、中へ入る。

と、カーテンで遮られたた先にベッドがあった。

この部屋の主がぼくが入って来た事にに気付き、視線と顎でそこへ横になるようにとぞんざいに促す。

直ぐに動こうとしないぼくに焦れたのか

「わかっているんだろう?」

低く告げる。

恐る恐るベッドへ近付き、仰向けに横たわる。

自然と動悸が速くなってきて、どこを見ていていいのか迷って、視線が泳いでしまう。

「くっくっくっ。そんなに身構えることもないだろう。大人しくしていれば、直ぐに済む」

思いの他、優しい声に少し力を抜く。少しの我慢だと自分に云い聞かせる。

と、そんなぼくを見て何を思ったのか、主はおもむろに部屋の扉を開け、

「おい」

そこにいた誰かに声を掛け、中へ入ってくるように促した。

入ってきたのは長身のぼくとそう変わらない位の男性で、自分が何故呼ばれたのか

解っていないようだった。

「なんすか?」

キョトンとした顔で主を見る

すると、主はニヤリと人の悪い笑顔で

「コイツが動けないように抑え付けとけ」

云うと、状況をの飲み込めていない彼の手を取りぼくの両手首を握らせた。

「え?オレがっすか?」

困惑したような彼の態度にはお構いなしで

「おお、しっかり抑えこんどけよ」

低く告げる。

「ごめん、なんかわかんないけど、そういうことだから・・・」

申し訳なさそうな声で、でも、しっかりとぼくの両手を拘束して、上半身に覆い被さるようにして

ぼくを抑えこむ。

「暴れたりしないのに」

小さく呟いてみたけど、主は全く意に介さず

「直ぐに済む、少しの辛抱だ。取り敢えず、はな」

ニヤリと笑う。

「ああ、その前に脱がすの忘れてたな、俺としたことが」

舌打ちをすると一気に脱がされた。

そして、ぼくの足首に手を掛けた。思わず、目をギュッとつむる。知らず両手を握り締めていた。

「いくぞ」

身体中に緊張が走る。

「ィッ−−−−−−−−−ッ!!!」

声にならない叫びが上がる。予想していたよりも強い衝撃に強く閉じた目蓋の裏でチカチカと

ハレーションを起きた。