お願いだから・・・<1>



「おい、葉山。ギイの奴えらく不機嫌だけど、理由、知ってるか?」

知ってるも何も・・・

「ごめん。今回は全面的にぼくのせいなんだ」

「そうなのか?」

「うん」

「で、こうなんだ?・・・謝ったのか?」

「もちろん、謝ったよ。けど、全然・・・取り付く島も無い」

「なんだよ」

ぼくの斜め向かいに座るギイをチロリと伺う矢倉にギイがギロリと睨みかえす。

「矢倉、コレはオレと託生の問題だ」

睨むだけでは済まなかったのか、救いの手を出すんじゃないぞと牽制まで。

それだけでぼくだったら竦み上がってしまいそうだというのに・・・

流石というか、いかにも矢倉らしいというか、そんなものはどこ吹く風とばかりに受け流し

「けどなぁ、こう空気が重くちゃ折角の夕飯も不味く感じるだろ〜が」

な赤池、と章三に同意を求める。章三はというと、仕方がないなという顔で

「まぁ、飯は美味しくってのが基本だとは思うけどな」

「そうそう」

矢倉が続ける。それを聞いて、更にギイの機嫌が悪くなる。

「あ、あのね。矢倉君に赤池君。だから、今回は本っ当にぼくが悪いんだよ。ギイは怒るの無理ないから」

「そうだ、オレは悪くない。元々オレは被害者なんだからな」

憮然としてギイが云う。

で?一体何があったって云うんだ?」

云ってみろよと、矢倉と章三が目で問う。